寒中見舞いの用途で最も多いのは喪中時の年賀状の代わりだと思います。
喪中で寒中見舞いを出す理由は様々です。ここでは考えられる喪中・寒中見舞いのケース別に、書き方のマナーと例文を挙げていきます。
喪中の方への寒中見舞い
喪中だった方から寒中見舞いが届いたときの返信、喪中と知らずに年賀状を出してしまった時のお詫びなどです。
喪中の方へ喪中ハガキの返礼・年賀状の代わりに寒中見舞いを出す
服喪中の方には年賀状は出しません。前年に喪中ハガキをもらった相手から寒中見舞いが届いた場合、それは年賀状の代わりということですから当然お返事を出しましょう。また、親しい間柄で様子が気になるなときなども祝賀ムードが終わった後(松の内が終わった1月8日以降)で寒中見舞いに託して相手を気遣うハガキや手紙を出します。最近では喪中ハガキの返信として「喪中見舞い」を出すこともあるそうです。
もちろん、これらは必ず出さなければならないというほど強い慣例とは言えません。届いた寒中見舞いの返事以外は出さなくても非礼には当たりません。状況や必要に応じて判断しましょう。
【喪中の方への書き方と例文】
服喪中の方へのメッセージには正月のお祝い関連の言辞は入れないようにしましょう。冒頭文は「寒中御見舞い申し上げます」が決り文句。「寒中見舞い」である以上、続く挨拶文には、季節の寒さに言及した上で相手の健康を気遣う言葉を添えた方がいいでしょう。儀礼的に出すなら、定型文を堅苦しくならない程度にスッキリまとめるのがコツです。
赤のアンダーラインを引いた部分は、その年の気候に相応した文言に変えて下さい。今年がどんな気候かよくわからない時は「時節柄」とか「冬本番を迎え」とかにしておけばいいと思います。【その他の例】「厳寒の候」「暖冬とは言え 朝晩の冷え込みが身に沁みて参りました」「寒さ厳しく インフルエンザの猛威が報じられる中」
喪中と知らずに年賀状を出したお詫びに寒中見舞いを出す
喪中ハガキの行き違いなどで、喪中の方へ年賀状を出してしまった時は、そのお詫びを兼ねて寒中見舞いを出します。
【喪中と知らず年賀状を出したお詫びの例文】
シンプルなお詫びと故人を悼む文章です。赤のアンダーラインを引いた箇所は、故人の続柄に合わせて変えて下さい。
自分が喪中の時の寒中見舞い
自分が喪中の時に、年賀状の代用として寒中見舞いを出す
自分が服喪中のときには年賀状は出しません。喪中ハガキを出してあるなら、寒中見舞いを出す必要もありません。ただ、お葬式などでお世話になった方々への御挨拶を寒中見舞いとして出すこともあります。喪中に年賀状が届いた場合には、その返信に寒中見舞いを出します。
【自分が喪中の場合の例文】
赤のアンダーラインを引いた「身罷り(みまかり)ました祖父の」は、故人の続柄に合わせて変えて下さい。
年末に不幸があって喪中ハガキを出せず、お詫びを兼ねて寒中見舞いを出す
年末ギリギリで喪中ハガキの用意ができなかった時は、喪中の通知と、欠礼のお詫び、いただいた年賀状への返礼を書いた寒中見舞いを出します。
【前年、喪中ハガキを出せなかった場合の例文】
赤のアンダーラインを引いた「昨年暮れに祖父が急逝し、」は、故人の続柄や状況に合わせて変えて下さい。
喪中で結婚報告の年賀状が出せず、寒中見舞いで報告する
結婚という慶事と身内の不幸が重なることもあります。この場合は年賀状で結婚報告ができませんので、代用として寒中見舞いで報告します。
【寒中見舞いで結婚報告する例文】
赤のアンダーラインを引いた箇所は状況に合わせて変えて下さい。
喪中の寒中見舞いはどんな種類のハガキで出す?
喪中に限らず、ハガキで寒中見舞いを出すなら通常の官製はがきか私製はがきを使います。
官製はがきは切手部分のデザインが山百合・山桜・胡蝶蘭の三種類あり、どれにしようか悩むかもしれません。体裁は寒中見舞いなので基本的にはどれでもいいわけですが、喪中に絡む通信(特に相手が喪中の場合)ですから供花に使われる胡蝶蘭か山百合をお勧めします。私製はがきに切手を貼る場合も、ありふれた地味なものが無難です。お年玉付き年賀はがきで当選した正月っぽい記念切手は止めておきましょう。当然ですが、年賀はがきの残りを使うのもNGです。
喪中の寒中見舞いのデザイン・文章の色などについて
喪中に関連して出す寒中見舞いですから、可愛い動物のキャラクターとか華美な印象の絵柄は避けましょう。また、喪中に限らず、寒中見舞いに干支や正月のイラストは使いません。楚々とした冬の花や雪景色などの挿絵をちょこっと置くくらいがベストです。絵と文章を黒白でまとめてもいいですが、カラーでも問題はありません。彩度は抑えめの方がいいとは思います。
写真を載せるのはお勧めしません。相手が喪中なら特にNG。自分が喪中の場合でも状況にそぐわない印象を与えてしまう可能性が高いと思います。
喪中だといって、文章を薄墨で書く必要は全くありません。というか、寒中見舞いはお悔やみの手紙とは別物なので薄墨は使いません。普通に黒で書きましょう。
喪中の寒中見舞いテンプレートのWord文書を無料ダウンロード

