身内に不幸があった時には「喪中はがき」を出すのが慣例です。「喪中はがき」とは平たく言うと「喪に服しているので、新年のご挨拶=年賀状を今年は出しません、ごめんなさい」という連絡ハガキです。ここでは「喪中はがき」を出すべきケース、どのように書いて、いつまでに出すか、どんな相手に出すか、などについて詳細にまとめています。
喪中ハガキは何親等まで?
親等とは、続柄のランクです。喪中はがきを出すのは、一般に2親等までとされています。
0親等=配偶者(夫・妻)が亡くなった
→ 喪中ハガキを出します
夫か妻が亡くなった場合は(特別な事情がない限り)迷うことなく喪中ハガキを出します。たぶん、葬儀会社が手配してくれると思います。
1親等=親(実父・実母・義父・義母・養父・養母・継父・継母)が亡くなった
→ 喪中ハガキを出します
通常は同居・別居にかかわらず喪中ハガキを出します。
1親等=子供(実子・養子・継子・子の配偶者)が亡くなった
→ 喪中ハガキを出します
通常は同居・別居にかかわらず喪中ハガキを出します。
2親等=兄弟姉妹が亡くなった
→ 喪中ハガキを出します
通常は同居・別居にかかわらず喪中ハガキを出します。
2親等=兄弟姉妹の配偶者が亡くなった
→ 喪中ハガキを出しません
兄弟姉妹の配偶者が亡くなっても、通常は喪中はがきは出しません。ただし、相手から喪中ハガキが届かなくても、遺された兄弟姉妹、甥、姪はもちらん、故人に繋がる親戚に年賀状を出すのを控えた方がいいでしょう。
2親等=義理の兄弟姉妹が亡くなった
→ 実の兄弟姉妹である配偶者が生存なら喪中ハガキを出します
あなたの配偶者が既に他界しており、義理の兄弟姉妹とは年賀状のやり取り程度の付き合いなら、出す必要はありません。ただし、故人に深く繋がる親戚(他の義理の兄弟姉妹など)に年賀状を出すのを控えます。
2親等=祖父・祖母・義祖父・義祖母・孫が亡くなった
→ 同居の場合、喪中ハガキを出します
同居していない祖父母の場合、一般的には喪中ハガキの対象外となります。とは言え、別世帯であっても心情的に親しい間柄であれば喪に服すのは自然なことです。ここは故人との距離感に応じて独自の判断をしましょう。ただ、喪中ハガキの送り先を分別する必要があったり、妻と夫で年賀状と喪中ハガキを別々に出したり、いろいろ煩雑な手間が生じるかもしれません。故人を悼むのは自分自身の心の内か家族内に留めておき、儀礼上は世間一般の慣例に従って喪中ハガキは出さないのも一つの選択肢です。
3親等=叔父・叔母・伯父・伯母・甥・姪が亡くなった
→ 喪中ハガキを出しません
3親等からは通常は喪中はがきを出しません。ただし、相手から喪中ハガキが届かなくても、故人に深く繋がる親戚に年賀状を出すのを控えた方がいいでしょう。
喪中はがきを出す宛先の範囲は? 誰にどう出せばいいのか
喪中ハガキは年賀状を欠礼することを報告するために出すわけですから、毎年年賀状を送っている宛先が対象になります。
年賀状の送り先に一括で同じ文面のハガキを出してもいいですし、故人と面識がある知人と、会社関係や故人とは全く面識のない友人知人とを分けて、内容を変えたハガキを出してもいいでしょう。
また、自分と同じ故人とのつながりで喪中である親族には出す必要はありません。
喪中はがきの書き方
喪中はがきと年賀状の体裁はほとんど変わりはありませんが、差出人の住所氏名は文面側に載せるようにしましょう。これは喪中ハガキを受け取った人がチェックしやすいように配慮するためです。
喪中はがきの差出人に連名はOK?
喪中はがきが儀礼として定着したのは昭和の半ば頃と比較的最近なので、差出人の名義や故人の続柄の表記などにも厳格なルールがあるわけではありません。
例えば同居の祖父母が亡くなった時、もし夫婦連名で年賀状を出しているなら、その宛先には夫婦連名で喪中ハガキを出します。
連名で出す場合、故人の続柄の表記はどうなる?
夫婦連名で出す場合、続柄を世帯主(夫)から見た表記にします。
夫の両親が亡くなったなら「父」「母」と書き、妻の両親や養父母なら「義父」「義母」と書くわけですね。また、養父母や継父母も「義父・義母」の表記でOK。
喪中はがきの文字色の黒はNG?
昔から葬儀に関わる文書の文字には薄墨が使われます。あまり気に留めていないかもしれませんが、香典返しの表書きなども薄いグレーになっているはずです。喪中ハガキも葬儀の一環で送られる文書ですから、一般的にはこれに倣って薄墨が使われます。特に拘る必要もないという考え方から、黒文字にしたり、カラフルなデザインにするケースもありますが、受け取る側に違和感を持たれる可能性は否定できません。喪中ハガキは葬儀の挨拶状などとは異なり、どちらかというと事務的な連絡文書の性質を持っています。相手にじっくり読んでもらうわけではなく、「この人は身内に不幸があって年賀状は来ないんだね」と伝わることが主目的です。受け取った人が年賀状を作るときに分別しやすいよう、「喪中はがき」であることが一目で分かるスタイルにすることをお勧めします。
故人の年齢は数え年?
喪中はがきに故人の年齢を書く場合、満年齢にしちゃっていいのかちょっと迷うかもしれません。これは仏教からの慣習ですが、お位牌や墓石に「享年○○」と書かれる数字の多くは数え年です。生まれ月に関わらず1月1日に一つ歳をとるという数え方で、誕生日前なら満年齢+2、誕生日後なら満年齢+1で計算できます。ただ、現代で数え年を意識して生活することはほぼなく、仏事でも満年齢で表記するケースが増えているようです。あまり神経質に考えず、数え年・満年齢のどちらでも間違いではないことを踏まえて選択しましょう。
「亡くなる」の別の言い方・言い換えの言葉
「(身内が)亡くなる」の別の表現、言い換えの言葉には「死去」「他界」「永眠」「身罷る(みまかる)」などが挙げられます。この内、「死去」というのは直截的過ぎる響きなので、「永眠」「他界」「身罷る(みまかる)」が無難だと思います。「永眠致しました」「他界致しました」「身罷りました」と書きます。難しい言葉では「不帰の客(ふきのきゃく)となりました」というのがあり、「旅立って二度と帰らない人になった」という意味の、ちょっとかっこいい言い方です。
喪中はがきはいつからいつまでに出す?
喪中ハガキは年賀状との絡みで送る文書ですから、年賀状の作成時期を考慮します。
郵便局でお年玉付き年賀はがきが販売されるのは11月1日前後、投函の受付が12月15日頃になることから、11月1日~12月15日が年賀状の一般的な作成時期と考えられます。
喪中ハガキを受け取った人は喪中の人に年賀状を送るのを控えますから、年賀状を作ってしまった後に届けば、無駄な手間をとらせてしまうことになります。といって、あまり早い時期に届いた喪中ハガキはどこかに紛れ込んだりして保管が面倒。送り先に配慮するなら、11月中が喪中ハガキのベストな投函時期と言えるでしょう。遅くても、12月初旬までには届けたいものです。
12月の半ば以降に身内の不幸があったら・・・
この場合は喪中ハガキを出さないでおきましょう。年が明けて松の内を過ぎてから、年末に喪中となり年賀状を欠礼したお詫び、いただいた年賀状への返礼を書いた寒中見舞いを出します
