「ポチ袋」とは、目上が目下に渡す簡単なご祝儀の袋です。「お年玉」「お盆玉」「お車代」「心付け」「寸志」など用途も表書きもいろいろあり、年間を通して活用されています。ここではポチ袋の由来、種類、使い方などと、当サイトで配布しているポチ袋の無料テンプレートのデザイン一覧をご紹介します。
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ポチ袋の由来
ポチ袋の「ポチ」の語源については諸説あり、関西弁の「これっぽっち」から派生したという説とフランス語のPetit(プチ)が元になっているという説が有力のようです。どちらにしても、「小さい」「わずか」「かわいい」という意味合いが込められていることは確かですね。
小さな点のことを「ポッチ」と言いますが、ポチ袋を当て字で「点袋」と書くこともあります。一般に浸透したのは明治以降と言われており、さほど古い歴史があるわけではないようです。商家の主が奉公人に配ったり、一家の主人が子どもたちに配ったりする少額の金銭の入れ物として発展し、日本全国に定着しました。
少額であっても、お金を剥き出しで手渡すのに抵抗がある日本的な感性が生んだ文化とも言えるでしょう。
ポチ袋の種類
ポチ袋にはいろいろな種類があり、更に近頃では多種多様なデザインが出回っています。ウケ狙いの面白いポチ袋も多いですね。
以下に、ポチ袋の主な表書きと用途を表にまとめました。
表書き | 用途 |
---|---|
お年玉 | 元旦からお正月にかけて子どもたちに配る |
お盆玉 | 夏のお盆の時期に子どもたちに配る |
お年賀 | 年始の訪問客や商売の得意先、顧客などに配る |
お礼 | 結婚式や葬式の受付、引っ越しの手伝いなど、広範囲の奉仕に対するお礼 |
お車代 | 訪問客、参加者など遠方から出向いてくれた人や結婚式・葬式の受付・司会者等への心付け |
ほんの気持ち | 物を贈る時の決まり文句をそのまま表書きにしたもの。特に理由付けが無くても使える |
心ばかり | 「ほんの気持ち」と同じ。表書きをどう書くか迷ったらこれ。礼金、見舞金や餞別など、どんなシーンにも使える |
寸志(志) | 一時金やボーナス、法事関係で使うイメージがあるが、本来は「心ばかり」と同様の意味 |
ありがとう | 「お礼」と同じだが、より親しみを込めた書き方。親しい友人や知人へのポチ袋に適している |
わいろ・袖の下 | 最近多い、面白・ネタ系の表書き。ジョークが通じる相手に渡す |
例のもの・例の金 | 寸借した金を返すときなどに使う変わり種の表書き |
全財産 | これも最近見かける面白・ネタ系の表書き。中身が小銭だけのときに逆説的に使うと面白いのかも |
ポチ袋の使い方
ポチ袋は親が子に、上司が部下に、または完全に同等の立場の者に渡す金銭を包むのに使います。目下の者から渡すのは非礼になるので注意が必要です。また、入れるお札は新札にこだわる必要はありません。
ポチ袋はあくまで略式・簡易式のご祝儀袋ですから、結婚・出産のお祝い金やお香典、七五三・お宮参りで神社仏閣に納める初穂料や玉串料には使いません。それらはフォーマルな熨斗袋に包みましょう。