干支(十二支・十干・今年の干支・来年の干支)

「干支」とは?

「干支」とは「十干・十二支」
「干支」は「えと」と読みます。

「干支」とは古代中国の思想「陰陽五行説」が起源となる暦法の一つで「十(○じっかん・×じゅっかん)」と「十二(じゅうにし)」を組み合わせたものです。

十干・十二支

年賀状のデザインを作る側では既に今年(2024年・令和6年)の干支「辰・龍」から、来年(2025年・令和7年)の干支「巳・蛇」への切り替えが始まっています。ここで「辰」と「巳」を「干支」と書きましたが、実はこの表記は正確ではありません。

「辰」や「巳」は「十二支」に属し、「干支」の「支」を表します。十干「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」と十二支「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」のそれぞれ一つずつをセットにしたものが「干支」になります。
この組み合わせは60通りあるので、同じ干支が巡るには60年かかるわけです。60歳を「還暦(かんれき)」と呼ぶのは誕生から干支の暦が循環したことを示しています。

陰陽五行説

「陰陽五行説」は暦であると同時に、森羅万象を統括する思想哲学の集大成でもあります。カレンダー、時間、気象、誕生日占い、相性占い、健康、医療など生活の至る所に使われています。

「陰陽五行説」では全ての事象は5つのエレメント「木・火・土・金・水」で構成され、それぞれ「陰」と「陽」の性格を持ちます。
陰陽五行説
「木・火・土・金・水」は相互に影響し合って様々な現象を生み出します。隣り合うエレメント同士「木➔火➔土➔金➔水➔(木)」は「相生」といって生み出し育てる関係にあり、向き合うエレメント同士は「相克」といって抑え込む関係にあります。例えば「木」は燃料となって「火」を持続させる相生関係です。「水」は「火」を弱め消し去る相克関係です。

月の干支・日の干支・干支カレンダー

「今年の干支」「来年の干支」と言いますが、干支は年だけに付くものではなく、月にも日にも付きます。「今月の干支」や「今日の干支」もちゃんとあります。
暦は「陰陽五行説」に基づいた相性からその日の吉凶を占う役割もありました。今でも「干支カレンダー」で自分の一日の運勢を占う人がいます。一説によると星占いよりずっと当たるんだそうです。

「十干」について

十干
十干(じっかん)はもともと1日から10日までの日にちに割り振った漢字で、数字との関わりが強く、実際、ランク付けの代用とされていた時代もあります。「甲乙付けがたい」と言ったりするのはその名残です。

十干の漢字・読み・性質|甲~戊

漢字
訓読み きのえ きのと ひのえ ひのと つちのえ
音読み こう おつ へい てい
五行・陰陽 木・陽 木・陰 火・陽 火・陰 土・陽
対応数字
季節 *土用
性質 健全・正直 保守・安定 存在感・勇気 野心・洞察力 有能・独立

十干の漢字・読み・性質|己~癸

漢字
訓読み つちのと かのえ かのと みずのえ みずのと
音読み こう しん じん
五行・陰陽 土・陰 金・陽 金・陰 水・陽 水・陰
対応数字
季節 *土用
性質 緻密・創作 機知・豪腕 センス・優雅 奔放・吸収力 円満・包容力

*土用とは立春・立夏・立秋・立冬の直前の18日間です。

十干は末尾が「え」か「と」で終わります。「え」は「兄」、「と」は「弟」を表し、陰陽説における陽と陰、+と-の関係です。
さらに、五行説における5つの元素「木・火・土・金・水」に「兄」「弟」2つの干を振り分けています。

「十二支」について

十二支
十二支は12ヶ月に動物を割り当てた暦法です。動物の名前は覚えやすいし、イメージしやすいので十干よりずっと馴染みがあって、現代でも生活に根付いています。

時間・方角と十二支

時間・方角と十二支
昔の日本では十二支が時間や方角の表記に使われていました。

24時間の2時間ずつを十二支が受け持っており、「子の刻」は夜11時~夜中の1時まで、「丑の刻」は真夜中の1時~3時までです。「午の刻」は昼の11時~1時を指しますが、今でも12時ジャストを「正午」と言い、昼前を「午前」、昼過ぎを「午後」と言います。

また、「卯」は東、「酉」は西、「午」は南、「子」は北を指します。南北を結ぶ線を「子午線」と言ったりしますね。

十二支はなぜ、この順番?

十二支がなぜこの順番になったかについては諸説あるようですが、暦を一般に浸透させるために身近な動物を当てはめたというのが有力です。

神様が十二支を決めるため動物たちにレースをさせたという逸話もあって、最初に到着した牛がゴールする直前に背中に乗っていたネズミが飛び降りてちゃっかりトップを取ったとか、猫がネズミに一日遅い日付を教えられて十二支になれなかったことを怒り未だに追いかけ回しているとか、猿と犬が順番争いで大喧嘩したのを未だに引きずって仲が悪いとか、ネタっぽいオチでまとめられています。

猫も十二支?

日本の十二支には入れなかった猫ですが、アジア圏のいくつかの国では猫も十二支に入っているそうです。でも、猫が入ったのはネズミの位置ではなく、ウサギの位置でした。昨年の2023年は「猫年」の国もあるんですね!
干支うさぎ➔猫

十二支の順番の覚え方

余談ですが、十二支の順番を覚えるなら、ちょっと節を付けて「ねーうしとらうーたつみーうまひつじさるとりいぬいー」と繰り返すと覚えやすいと思います。一文字の十二支の音を伸ばすのがコツです。

十二支の漢字・読み一覧表

うし とら たつ うま ひつじ さる とり いぬ

十二支にも五行説における5つの元素「木・火・土・金・水」が割り振られています。

今年の干支は「甲辰(きのえ たつ)」

今年の干支は「甲辰(きのえ たつ)」
2024年・令和6年の干支は「甲辰(きのえ たつ)」です。干が「甲」で支が「辰」。60の「十干・十二支」の組み合わせの内、41番目の干支です。「甲」は十干の1番目、「辰」は十二支の5番目。

「甲辰」は芽吹いた草木が伸長し、はっきりした形を整える年だそうです。ぼんやりとしていた予兆が誰の目にも明らかに示される暗示があって、良いことにも悪いことにも一定の結論が下されるかもしれません。
因みに60年前の1964年(昭和39年)は東京オリンピックが開催され、日本の高度成長が一気に加速した年でした。なんとなく上り調子の人にとっては更なる飛躍が期待できそうです。一方で、ここ数年くすぶっていた問題が表面化し、処理すべき課題が明確になることもあるでしょう。

来年の干支は「乙巳(きのと み)」

来年の干支は「乙巳(きのと み)」
2025年・令和7年の干支は「乙巳(きのと み)」です。干が「乙」で支が「巳」。60の「十干・十二支」の組み合わせの内、42番目の干支です。「乙」は十干の2番目、「巳」は十二支の6番目。

「乙巳」は草木が伸長し切れず、屈曲した状態を示す年だそうです。物事が極限まで達して、それ以上は伸びようがなくなり、良いことにも悪いことにも終局が見えてきそうです。長寿番組が終了したり、経済成長が止まったりする可能性があるそうで、ちょっと不安ですね。一方で、陰で蓄積されてきたエネルギーが一気に噴き出す暗示もあって、変化が起こるとすれば「激変」になり、油断できない年だということです。
因みに過去の乙巳の年には、大化の改新につながる「乙巳の変」と呼ばれる政変が起きていますし、壇ノ浦の戦いで栄華を極めた平家が滅亡しています。長くトップの座に君臨している人は気を引き締めておきましょう。

干支の一覧 1~60番の順番表

10
甲子 乙丑 丙寅 丁卯 戊辰 己巳 庚午 辛未 壬申 癸酉
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
甲戌 乙亥 丙子 丁丑 戊寅 己卯 庚辰 辛巳 壬午 癸未
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
甲申 乙酉 丙戌 丁亥 戊子 己丑 庚寅 辛卯 壬辰 癸巳
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
甲午 乙未 丙申 丁酉 戊戌 己亥 庚子 辛丑 壬寅 癸卯
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
甲辰 乙巳 丙午 丁未 戊申 己酉 庚戌 辛亥 壬子 癸丑
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
甲寅 乙卯 丙辰 丁巳 戊午 己未 庚申 辛酉 壬戌 癸亥

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