文面(裏面)を横向きにした年賀状は多く見られます。インパクトのあるおしゃれなデザインにしたい場合や、写真を入れるのに横向きの方がスペースを配分しやすいというメリットがあるためです。
干支の動物が走る絵柄などは横向きで描いた方が躍動感が出ます。ただ、ここで悩ましいのが宛名書きの向きを揃えるべきかということ。年賀状は儀礼の一種だし、「マナー違反」は避けたいところですが・・・。
年賀状の表裏で方向を揃えるマナーの「なぜ」?
Webで年賀状マナーを検索すると、多くは表面と裏面で文字方向を揃えるのが正しいと解説しています。年賀状を受け取った側が縦書きの宛名をまず見て裏返したときに違和感を覚えるからというのですが・・・、この理由の方に違和感を感じてしまうのは私だけではないと思います。
年賀状の宛名を横書きするのは少数派?
実際のところ、横向きにデザインされた年賀状の内、宛名が横書きの年賀状というのはあまり見かけません。下図左のようにハガキの向きは縦で文字方向だけを横にしたものはありますが、下図右のように、わざわざ年賀はがきを横向きにして宛名を書いてあるのは滅多にありません。
年賀はがき宛名面の仕様を無視する必要性?
そもそも年賀はがきの宛名面は「縦書き」を想定した仕様になっています。
郵便番号や料額印面(切手の部分)の位置、全体のレイアウトを無視してまで横書きにする必要があるでしょうか? 裏返して文面を見る以前に、宛名書きそのものの無理やり感に違和感をおぼえます。
パソコンでの「はがき」の印刷も縦書き・縦向きの仕様に則して設定されており、これを横向きに設定し直すのは、正直言って無駄な手間でしょう。マナーに厳しい方には怒られそうですが、当サイトの見解はデザインが縦でも横でも宛名面は縦書きでいいでしょう。大多数の人が慣例として尊重するマナーは守るべきだと考えていますが、一方で、時代の流れで生活形態にそぐわなくなったものが淘汰されるのも自然なことだと思います。
もし、上司や目上の相手に出す年賀状で少しでもマナー違反は避けたい!というなら、横向きデザインはあきらめて、最初から縦書き・縦向きのテンプレートを選択しましょう。