年賀状の裏面の挨拶文の最後に「2024年 元旦」や「令和六年 元旦」と書きます。特に気にも留めずに書いたり読んだりしますが、さて、「元旦」とは本来どういう意味でしょう? 年賀状に「元旦」と書いていいのはいつまででしょう? 「元旦」と「元日」は同じ? それとも違いがあるのでしょうか?
このページでは元旦の意味、元旦と元日の違い、三が日、正月との違いについて、元旦にしてはいけないとされていること、逆に、元旦にするといいとされていることなどをまとめています。
元旦(がんたん)とは?
元旦の「元」という漢字は物事の始まり、初めを表し、「旦」は日の出、夜明け、地平線や水平線から日が昇る様子を表しています。
このことから、元旦の開始が日の出時刻であることは分かります。では、元旦の終了はいつまでになるのでしょう。
元旦・元日・三が日・正月の違い
「元日(がんじつ)」は初めの日という意味で、そのまま1月1日を指します。1月1日の0時から23時59分59秒…までが「元日」ですね。
「元旦」は元日ほど明確に「いつから、いつまで」と定義されていません。開始は日の出時刻であり、語源も初日の出と関係が深いので「元日の朝」または「元日の明け方から正午まで」を指すという説が一般的です。ただ、「日の出から日没まで」とする解釈もあるようですし、元日とイコールとしている辞書もあります。諸説ありますが、元旦が元日の一部分であることだけは確かです。
元旦・元日も含めて1月2日、1月3日までを「三が日(三賀日)」といいます。この期間を「正月」と考える人は多いですが、本来の意味からすると「正月」は「1月」丸ごとを指します。
ただ、日々の暮らしに根ざした解釈からすると、「松の内」迄を正月とするのが理に適っているようです。門松やお飾りは松の内を過ぎたら取り外しますし、「あけましておめでとうございます」と挨拶するのも松の内まで、年賀状を出せるのも松の内までです。「松の内」の期間はいつかというと、これは地方によってかなり違いがあります。大まかな括りでは関東地方が1月7日まで、関西地方が1月15日までとなっています。
年賀状を元旦に届くように投函するには?
年賀状は、できれば2024年(令和六年)の元旦に届くように投函したいですね。例年、12月25日までに郵便ポストに投函すれば、翌年の1日に届きます。
詳しい年賀状の投函や配達日程は以下の記事にまとめています。
「元旦」入り年賀状が1月2日以降に届くとマナー違反?
ここで気になるのは、挨拶文の最後に「元旦」と入れた年賀状が1月2日以降に届いたら、それはマナー違反になるのかということです。
一応、1月2日以降に配達される年賀状なら「2024年 元旦」ではなく「2024年 正月」と書くとされています。ただ、現代の風潮から言えば、気にする人はほぼいないと考えていいでしょう。
「賀詞~挨拶文~年号・元旦」までは定型文が多く、いわゆる決まり文句なので流し読みするでしょうし、松の内に届いた年賀状であれば「2024年 元旦」や「令和六年 元旦」に違和感は感じないでしょう。
元旦にやってはいけないこと【7か条】
「一年の計は元旦にあり」といいますから、元旦は昔からとても大事な日と考えられてきました。それで、「元旦の過ごし方」にもいろいろなタブーがあります。
元旦には掃除をしてはいけない!
大掃除は年末までに済ませ、元旦から三が日は掃除をしないという習わしがありました。元旦に掃除をすると、せっかくお迎えした歳神様(としがみさま)を掃き出してしまうというのが理由です。歳神様は玄関に飾られた松飾りを目印に各家々に訪れます。暮れに大掃除するのは歳神様を気持ちよくお迎えするためです。昔は「怠け者の節句働き」といって白い目で見られたので、元旦だけでなく、七日正月(七草)や子供の日も掃除はタブーでした。元旦に掃除をしてしまったら、ゴミ捨てだけは4日以降にしておいた方がいいかもしれませんね。
元旦には洗濯をしてはいけない!
せっかく授かった福運を洗い流してしまう、という言い伝えから元旦は洗濯するのもタブーでした。掃除は構わないにしても、大家族や子育て中の家などは1日でも洗濯できないと辛いですよね。
しかも、洗濯だけでなく「水を使う」こと自体がNGで、水仕事や洗い物全般、洗車、食器洗いなど全部ダメ。お風呂もダメだそうで、温泉旅行に行くのも2日以降じゃないとまずいってことでしょうか?
これはさすがにキツい。修行僧じゃないんだから。元旦くらいは洗濯物を外干ししないとか、その程度の気の使い方でいいんじゃないかと個人的には思います。
元旦には肉を食べてはいけない!
これは仏教に関係の深いタブーで、はるか昔の天武天皇の御代にまで遡る風習です。食べていけないのは四足歩行の動物で、牛肉、豚肉、馬肉がNG。二足歩行の鶏肉や魚は食べても問題なし。・・・ということですが、今日日のおせち料理には角煮やローストビーフも普通に入っているから、これも難しそう。
元旦にはお金を使ってはいけない!
初詣でお賽銭を投げたり、お寺に墓参りしてお布施を納めたりするのは問題ありませんが、買い物でお金を使うのは元旦のタブーの一つです。福袋を買うのもダメ。元旦に散財すると、その年はお金が出ていきやすく、貯まりにくくなるという言い伝えがあるのだそうです。ここ数年は元旦に営業していないスーパーや外食産業も多かったですが、来年はどうでしょう? 元旦に初売りやセールがあると、つい出かけたくなりますが、グッとこらえて金運を引き寄せたいですね。元旦がお天気でも、出かけるなら近くの公園がおすすめです。お財布は家に置いていきましょう。
元旦には喧嘩をしてはいけない!
元旦に喧嘩をすると、争い事の絶えない年になるという言い伝えがあります。そういえば、元旦にちょっとした言い合いをしても「正月早々、止めなさい」と怒られましたね。元旦・元日は心穏やかに過ごして、一年の平安を祈りましょう、ということですね。
元旦には火を使ってはいけない!
水だけでなく、元旦は火を使うのもいけません。おせち料理は年末までに用意して、元旦は食べるだけにします。おそらく、正月で気が緩み、火の始末が疎かになることへの注意喚起の意味もあるのでしょう。ただ、お雑煮だけは火で調理してもいいそうです。
元旦には刃物を使ってはいけない!
これも調理と関係しますが、包丁で食材を切るのも元旦はタブーとされています。元旦に刃物を使うと、縁が切れるとか怪我の多い年になるという言い伝えがあります。
元旦にするといいこと【3か条】
元旦にしてはいけないことを書いてきましたが、逆に、元旦にするといいこと、開運につながるアクションを紹介します。
元旦に初日の出を見る!
元旦と言えば「初日の出」。早起きしてご来光を仰ぎましょう。外出して、初日の出のスポットで見られれば最高ですが、自宅のベランダや窓から年明けの太陽を眺めるだけでもOK。元旦が雨だと残念ですが、晴れていれば、初日の出を見ることをおすすめします。
北➔東➔南➔西の各方角に向かって順番にお辞儀をしながら、辰年の干支の星「廉貞星(れんじょうしょう)」と唱えると運気がアップするそうです。
掲載サイト
【元旦の初日の出の時間|2024】
日本の1月1日の日の出は、ほぼ6時40分~7時40分の間で、方角は南東です。元旦の朝、6時半ごろ起きられれば初日の出が見られるでしょう。
富士山に登って初日の出を見る場合、山頂の日の出の計算上の時間は6時53分頃ですが、標高が高い分だけ地平線が下がるので、実際には10分ほど早く見られます。
都道府県 | 都市 | 初日の出時間 |
---|---|---|
北海道 | 札幌市 | 7:05:55 |
宮城県 | 仙台市 | 6:53:05 |
埼玉県 | さいたま市 | 6:51:22 |
千葉県 | 千葉市 | 6:48:49 |
東京都 | 新宿区 | 6:50:46 |
神奈川県 | 横浜市 | 6:50:19 |
愛知県 | 名古屋市 | 7:00:34 |
京都府 | 京都市 | 7:04:46 |
大阪府 | 大阪市 | 7:04:51 |
高知県 | 高知市 | 7:09:58 |
熊本県 | 熊本市 | 7:19:13 |
鹿児島県 | 鹿児島市 | 7:17:00 |
沖縄県 | 那覇市 | 7:16:34 |
元旦に初詣に行く!
神社に初詣するのも元旦に相応しい正月行事です。大晦日の深夜に出かけて、新年のカウントダウンで盛り上がるのも楽しいですね。有名所の神社仏閣だと人出が多過ぎて無理ですが、地元の神社だと元旦には参拝客向けに御神酒や御札を配ってくれる所もあります。
元旦に書き初めをする!目標を立てる!
書道の心得のある人や習字が得意な人なら、新しい紙に毛筆で座右の銘や新年の目標を書き初めするのも伝統的な正月行事の一つです。
毛筆とかムリ!という人でも、一年の計画や目標を立てて、それを文字で書き記すだけで背筋がシャキッとなります。辰年の元旦には道具や形式にこだわらず、空いた時間を使って自分なりの「書き初め」をしてみてはいかがでしょう。
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