「お心遣い」「お気遣い」ありがとうございます|意味の違いと使い方

    「お心遣い」「お気遣い」ありがとうございます|意味の違いと使い方
    よく使われるお礼の言葉、「お心遣いありがとうございます」「お気遣いありがとうございます」
    この2つのフレーズを同じ意味だと思って使っているかもしれませんが、実は微妙な違いがあります。
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    「お心遣いありがとうございます」と「お気遣いありがとうございます」の意味の違い、それぞれどういう状況で使うか、について解説します。また、前後に置く言葉や文例、もっと他の言い換え・類語もピックアップしています。

    「気遣い」と「心遣い」の違いは?

    「気遣い(きづかい)」とは、そのまま「気を遣うこと」、特に気を掛けること、特別に労を取ること、何か配慮をすることです。
    似てる言葉で言い換える場合、近いのは「配慮」「気配り」「心配り」「手助け」「心配」など。
    例えば、結婚に際してお祝いカードを頂いたり、仕事上で助けてもらったり、妊娠中や病中に何かと労ってもらったりするのは「お気遣い」になります。

    また、相手の申し出や厚意を柔らかく辞退するときに「どうぞ、お気遣いなく」「お気遣いには及びません」というような使い方をします。

    一方、「心遣い(こころづかい)」とは金品を伴った配慮です。お祝い金を頂いたり、贈答品を贈ってもらったりするのは「お心遣い」になります。
    金品について直截的な表現をするのを避けて、「心」とか「気持ち」という言葉に置き換えるのが日本語の慣習です。自分が金品を贈るときも「心ばかりの品を・・・」「ほんの気持ちで・・・」などと言いますね。

    「お心遣い」に係る形容詞で最もよく使われるのが「過分な」です。
    過分なお心遣いを頂きまして誠に痛み入ります」というように使います。

    「お心遣い」の使い方の注意点

    「心遣い」は「気遣い」と同じく「配慮」と言い換える事もできますが、金品を伴わない気配りに対して「お心遣い」という表現は使わないのが普通です。
    お祝いのお金や品物を頂いていない相手に「お心遣いありがとうございます」とお礼状に書いてしまうと、違和感を持たれたり、非礼と受け止められる危険性があるので注意が必要です。
    金品を頂いていない相手へのお礼状には「お気遣いありがとうございます」の方を選択しましょう。

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    「お心遣いありがとうございます」の例文

    「お心遣いありがとうございます」はお礼状の決り文句です。
    結婚祝い・出産祝い・引越し祝い・七五三の祝い・入学祝い・快気祝い・餞別などでお金や品物をもらった時のお礼の言葉、入院時の差し入れや香典をもらったときのお礼の言葉には「お心遣いありがとうございます」が最適です。

    • 私共の結婚に際しまして過分なお心遣いを頂戴し、ありがとうございました
    • 長男出産の折に賜りましたお心遣いに衷心より御礼申し上げます
    • 過日はわざわざ拙宅までお見舞いいただき、その上お心遣いのお品まで賜りまして、感謝の言葉もございません
    • 長女の初節句に身に余るお心遣いをいただきまして、誠にありがとうございました

    「お心遣いありがとうございます」の言い換え・類語

    「お心」「ご厚意」「お心づくし」

    • いつもお心にかけていただきまして、身に余ることと感謝致しております
    • この度は、お心づくしのお品を頂戴し、誠にありがとうございます
    • 過分なご厚意を賜り、心より御礼申し上げます

    「お気遣いありがとうございます」の例文

    「お気遣いありがとうございます」は通常の手紙、日常的なお礼、社内外へのビジネスメールにも幅広く使える言葉です。
    「お心遣いありがとうございます」よりも、ずっと気軽な感じで口にしたり、綴ったりできます。

    • 平素より色々とお気遣いいただき、ありがとうございます
    • いつもお気遣いいただきまして、本当に感謝致します
    • 温かいお気遣いに心よりお礼申し上げます
    • その節はお気遣いいただいてありがとうございました
    • 先日は細やかなお気遣いをありがとうございました
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    「お気遣いありがとうございます」の言い換え・類語

    「ご配慮」「ご高配」「ご支援」「お心配り」「ご心配」

    • いつもながらご配慮いただきまして、ありがとうございます
    • 賜りましたご高配に深甚なる感謝を捧げます
    • 温かいお心配りにお礼申し上げます
    • 親身にご心配いただいて、本当にありがとうございました

    「お心遣いありがとうございます」や「お気遣いありがとうございます」への返事の仕方

    「お心遣いありがとうございます」や「お気遣いありがとうございます」と相手から言われたら、お礼への感謝、謙遜を込めた返事・返信をします。

    • いえいえ、とんでもございません、ほんの気持ちばかりで・・・
    • ご丁寧に痛み入ります
    • 日頃お世話をかけている、ほんのお返しです
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    まとめ

    「お心遣いありがとうございます」と「お気遣いありがとうございます」は似ている言葉ですが、意味と使い方に違いがあります。
    「気遣い」は相手を心にかけて親切に配慮すること、「心遣い」は金品を伴う配慮のことです。
    「お心遣いありがとうございます」はお祝いをいただいた時、餞別や香典をいただいた時のお礼・お礼状に使う言葉で、「お気遣いありがとうございます」は日常の会話やビジネスのメールに気兼ねなく使える汎用的なお礼の言葉です。
    両方の言葉の意味を理解して適正に使い分けましょう。