取引先の企業・会社の上司・恩師・目上の親戚などフォーマルな年賀状を出すときの書き方・マナー・注意点をまとめました。
年賀状の構成
年賀状の基本的なレイアウトは下図のようになります。これは個人宛でも企業宛でも同じです。
フォーマルな年賀状は縦書きで書く
礼儀を重視した年賀状を出そうと思ったら、すべてノーマルな形式にするのがコツです。年賀はがきは「縦向き」にして「縦書き」で書きましょう。
宛名の書き方
宛名を書くときは「敬称」「役職名」に特に注意しましょう。
住所の建物名・企業名・部署名・役職名は略さずに書きます。
- 個人宛なら「様」で統一します。連名にもそれぞれ「様」を付けます
- 恩師宛なら「先生」と表記します
- 企業宛なら会社名や部署名の下に「御中」と表記します
- 企業内の個人宛なら会社名と部署名の下(または横)に役職名を書いた上で、氏名に「様」と付けます
差出人の住所氏名の書き方
宛名より小さめのサイズで書きます。
フォントの種類は宛名と揃えるのが基本ですが、電話番号・Eメールのアドレスは毛筆系のフォントだと判別しづらいので、必要なら部分的に明朝体・ゴシック体か英字フォントに切り替えましょう。
差出人情報は表に書くか?裏に書くか?
差出人の住所氏名などは表と裏どちらに書いてもOKです。
ただ、引っ越し・社屋の移転の報告・結婚報告を兼ねた年賀状では住所の表記が重要ですから裏の通信面に飾り枠などで目立たせて記載した方がいいでしょう。

賀詞の書き方
賀詞は挨拶文より1~2回り大きく書くのが一般的です。
賀詞は文字色を目立つカラーにしても、装飾を加えても許されるパーツですが、目上の相手に出すフォーマルな年賀状では控えめにしましょう。最も無難な選択はやはり黒文字です。
賀詞にはいろいろありますが、フォーマルな年賀状にふさわしいのは「謹賀新年」を代表とする四文字賀詞か、漢字と仮名が混じった文章賀詞「初春のお慶びを申し上げます」などです。
パソコンで文字を入れる場合は読みやすくベーシックなフォントを選びます。和風のイラストを挿絵にするなら毛筆系のフォントを、取引先の企業宛ならゴシック体や明朝体なら間違いはないでしょう。

挨拶文の書き方
挨拶文は賀詞より小さい文字で書きますが、パソコンの画面上で見るサイズが適正な大きさだと思っても、実際印刷された文字はかなり小さくなるので注意しましょう。
フォントにもよりますが、最低でも10px(ピクセル)以上の文字サイズをお勧めします。
挨拶文を構成する基本の文章は3つ
挨拶文に書くのは主に以下の3つの文章です。
- 相手の健康や幸福を祈る文章
- 旧年中の関わりを感謝する文章
- 新年に引き続いての交流を願う文章
例えば、「ご一家皆様のご健康とご多幸をお祈り致します 旧年中は親しくご交誼いただきまして誠にありがとうございました 本年も何卒宜しくお願い申し上げます」というように組み立てます。
上記の挨拶文を柱に、必要があれば、相手への特別な一言を簡潔に書き足します。

ビジネスの挨拶文の構成
取引先の企業や顧客への挨拶文を構成する基本の文章です。
- 日頃の取引に対するお礼・感謝の文章
- 業務への姿勢、サービス向上への取り組みなどを約束する文章
- 新年に引き続いての取引を願う文章
例えば「旧年中は一方ならぬお引立てを頂き誠にありがとうございました これからも皆様のご信頼に報いるべく尚一層のサービス向上に努める所存でございます 本年も変わらずご愛顧を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます」というように組み立てます。

「申し上げます」「致します」の繰り返しに注意
文章の結び「申し上げます」と「致します」は使いやすいので連続させてしまうことが多いフレーズです。「…お祈り致します…感謝致します…お願い致します」というように、同じ結びを何度も繰り返すのは出来の良い挨拶文とは言えません。「感謝致します」を「ありがとうございました」に、「お願い致します」を「お願い申し上げます」に置き換えるなどして結び文の繰り返しをできるだけ避けるようにしましょう。
「年号/元号 元旦」の書き方
西暦または元号(現在は令和)を漢数字(一、二、三…)で記載します。1月1日に届くように出せるなら、一文字空けて「元旦」と書きます。
年賀状が元旦に届かない場合はどう書く?
問題は、投函時期が遅れて元旦に届かない年賀状にはどう書いたらいいか、ということです。この場合は「年号/元号 正月」または「年号/元号 一月」と記載することになります。